中小企業のコンサルティングで組織の人材育成といい会社を支援するマネジメントコンサルティング

中小企業の持続的発展のため企業風土改革と経営品質向上支援するコンサルティングを展開

2015年9月ISO改定についての情報提供です

2015-05-17

 2015年3月30日と4月17日に審査機関のISO改訂についての説明会に参加しました。
 ISOは国際標準ですが、筆者が関与しているのはマネジメントシステム規格です。環境マネジメントシステム規格ISO14001、品質マネジメントシステム規格ISO9001、食品安全マネジメントシステム規格ISO22000などです。それぞれ国際標準の要求事項に従って経営のマネジメントすることで本来の目的を達成し、信頼企業として成果を出し続けられる体質に経営を改善革新していくことが期待されています。経営品質やいい会社研究会のように「グッドカンパニー」づくりに本格的に取り組んでほしいとのグローバルな期待があると思います。経営品質でいうと「卓越した業績を生み出しつづけれること」、「いい会社」でいうと独自性を発揮し「従業員とその家族の幸せ」を一番に考えて、持続可能経営の体質づくりしていることです。
 以下の図は過去のISO9001の歴史的変遷を表にしたものです。 軍事用の部品の品質保証の規格からはじまり、2000年には顧客満足向上と法令規制対応を確実にする品質マネジメントシステムになり、2008年には内外環境変化対応と有効性を焦点に改定が行われた。今回の改定はそれまでのやらされ感のある、つまり顧客や上位組織の要求対応のための規格から自らが組織の持続的成功(いい会社づくり)に向けての自立的な対応を求める規格となったと言えます。

※持続的成功とは「<組織>自らの目標を、長期にわたり達成し維持する組織の能力がもたらす状態」(組織の持続的成功のための運営管理-品質マネジメントアプローチ、ISO9004:2010(2009.11.15))

 本年2015年9月、環境マネジメントシステム規格14001は11年ぶりの改定、品質マネジメントシステム規格ISO9001は7年ぶりの改定となります。食品安全マネジメントシステム規格ISO22000の改定は2016年以降となるようです。
 今回の改定の特徴を以下に整理しました。
1.付属書SLに基づく規格の構造(章立て、箇条建て)の共通化
 ISO規格を作成するための指針中の特定の付属書名をSLという(Supplement のL番という付属書)。”附属書SLは、異なる分野のISOマネジメントシステムの整合化を図る目的で作成された、ISOマネジメントシステムを作成する際のフレームワークです。
内容は以下です。
附属書SLの箇条タイトル
序文
1. 適用範囲
2. 引用規格
3. 用語及び定義
4 組織の状況
 4.1 組織及びその状況の理解
 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
 4.3 XXXマネジメントシステムの適用範囲の決定
 4.4 XXXマネジメントシステム
5 リーダーシップ
 5.1 リーダーシップ及びコミットメント
 5.2 方針
 5.3 組織の役割,責任及び権限
6 計画
 6.1 リスク及び機会への取組み
 6.2 XXX目的及びそれを達成するための計画策定
7 支援
 7.1 資源
 7.2 力量
 7.3 認識
 7.4 コミュニケーション
 7.5 文書化された情報
  7.5.1 一般
  7.5.2 作成及び更新
  7.5.3 文書化された情報の管理
8 運用
 8.1 運用の計画及び管理
9 パフォーマンス評価
 9.1 監視,測定,分析及び評価
 9.2 内部監査
 9.3 マネジメントレビュー
10 改善
 10.1 不適合及び是正処置
 10.2 継続的改善
※”XXX”には品質、環境など、対象となる各マネジメントシステム分野の名称が記述されます。
※箇条8の”運用”には各マネジメントシステム分野の主となる固有要求事項が当てられます。(ISO9001の場合、箇条7″製品実現”の要求事項の多くがここに当てられます)

2.9001に改訂内容について
(1)主な改訂ポイント
 ■ポイント1:QMSを経営戦略・事業プロセスに統合しなければならない
  ・品質担当任せの体制ではないか?
  ・経営と品質の課題が同じ土俵で議論されて、戦略・意思決定されているか?
   
 ■ポイント2:サプライヤの管理が外部提供の全ての管理に拡大される
  ・外部から提供される全て(購買した製品、アウトソースしたプロセス、機能など)を
   管理対象とする。外部提供者のパフォーマンスを監視、モニタリングの結果を維持。
 
 ■ポイント3:リスク及び機会を決定すること
  ・それぞれの取組みにおいて以下のようなリスクと機会の考慮がされているか
  リスク:クレーム、品質事故、品質低下、設備不良、材料・人材不足など
  機会:新製品開発、市場拡大、新顧客層の開拓、特許取得、顧客満足度向上など

 ■ポイント4:変更管理を重視すること
  ・変更管理の要求が拡大(QMSの計画、プロセス、運用の変更管理)

 ■ポイント5:QMSの前提条件を明確にすること
  ・事業目的と取組みの実態の整合を要求・構築の前提条件(組織の目的・意図した成果・能力、外部・内部の課題など)を明確にする
  ・利害関係者のニーズと期待を考慮する

(2)以下がDIS9001の規格構成です。別途解説を加えたいと思います。
■Plan(計画)
4 組織の状況
 4.1 組織及びその状況の理解
 4.2 利害関係者のニーズ及び期待の理解
 4.3 品質マネジメントシステムの適用範囲の決定
 4.4 品質マネジメントシステム及びそのプロセス
5 リーダーシップ
 5.1 リーダーシップ及びコミットメント
 5.2 品質方針
 5.3 組織の役割、責任及び権限
6 計画
 6.1 リスク及び機会への取組み
 6.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定
 6.3 変更の計画
7 支援
 7.1 資源
 7.2 力量
 7.3 認識
 7.4 コミュニケーション
 7.5 文書化した情報
■Do(実施)
8 運用
 8.1 運用の計画及び管理
 8.2 製品及びサービスに関する要求事項の決定
 8.3 製品及びサービスの設計・開発
 8.4 外部から提供される製品及びサービスの管理
 8.5 製造及びサービス提供
 8.6 製品及びサービスのリリース
 8.7 不適合なプロセスアウトプット、製品及びサービスの管理
■Check(チェック)
9 パフォーマンス評価
 9.1 監視、測定、分析及び評価
 9.2 内部監査
 9.3 マネジメントレビュー
■Act(処置・改善
10 改善
 10.1 一般
 10.2 不適合及び是正処置
 10.3 継続的改善

改定ISO9001のモデル図
ISO9001全体モデル図

3.ISO9001:2015年(DIS)版への審査に対する変化点
Ⅰ. マニュアルの非要求:
 2015年版改定では、共通テキストとしてマニュアル非要求(ISO14001はもともとマニュアル要求はなし。)マニュアル要求と同時に、経営との乖離・形骸化が始まる(JTCG)。実際の運用の有効性判断から、規格、組織の手順へ戻る審査手法へ。

Ⅱ. 手順要求から、結果要求へ:
 手順と規格の整合性ではなく、結果要求の規格とシステムの成果を検証する審査手法への変化が求められている。手順が規格に合っていない・手順と実態が合っていないという視点から、「プロセスが、規格要求を満たす成果を生んでいるか」という判断力を審査員が求められる。

Ⅲ. リスクベースに基づく審査
 組織にリスクベースシンキングが求められるのと同時に、審査機関もリスクベースシンキングがもとめられる。組織の判断の結果が、妥当であるかも判断する力量が求められる。規格適合から、組織のリスクを重視した審査計画・審査実施の必要性。

Ⅳ. 現場審査力の強化
 経営との統合要求により、目標や運用の事前提出要求が困難になる運用・文書の確認は事前提出でなく、現場での確認が基本となる。

ⅴ. プロセスアプローチに基づく審査スタイル規格の箇条ごとの確認から、実際の業務の流れに即した確認へ
 単独の部門審査だけでなく、部門間の連携を考慮プロセスが目的を達成できるかどうかの過程(責任・権限、資源、手順等)を評価する。
以上

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