中小企業のコンサルティングでいい会社作りを支援

中小企業のコンサルティングを通じていい会社になる支援を

いい会社見学会に参加しました。その1

2015-04-16

あの日本でいちばん大切にしたい会社で有名な日本理化学工業株式会社を訪問させていただきました。
感想文を作成しましてので参考にしていただけたら幸いです。
いい会社見学会2015感想(日本理化学工業株式会社) 2015年4月9日訪問
日本理化学工業

日本理化学工業●はじめに
 念願の日本理化学工業を訪問することができた。坂本光司先生の書籍「日本でいちばん大切にしたい会社」や牧野さんがいい会社実行委員会勉強会で何回も話題に上がっていた会社である。こちらの問題意識は、障害者雇用の経緯は知っていたが、実際に現場でどのような作業がされ定着されているのか、どのような苦労があるのかを体験的に知ることだった。
 以下大山会長からの話をお聞きした感想と製造現場を見学させていただいた感想を整理した。

●大山泰弘会長の説明で伺った記憶に残った特徴的な事。
1.会社の始まり
会社の始まりは現会長のお父様が文具雑貨店を、昭和10年頃からアメリカからチョークを輸入したのが事業の始まり。アメリカの製品は石膏を使っていたので、肺結核になる恐れがあり、日本でも沢山取れる比重の重い炭酸カルシウムを利用し国産化したのが昭和12年とのことだ。
2.先生にあこがれ
大山泰弘現会長は大学を卒業し先生にあこがれ教授の道を歩みたかったこと。しかしお父様の病のため事業を継ぐことになった。同級生が大会社などへ就職したのに比べ小さなチョーク屋になるのかという無念の思いがあったとのこと。あきらめるのに相当苦闘があったらしい。
3.障害者雇用の始まり
昭和34年秋、例の有名な障害者施設の先生の就職のお願いから、せめて体験だけでもとの依頼にもとづいた2週間(坂本光司さんの本では1週間)の実習後の社員の言葉を会長から聞けた。「専務、今日で体験は終わったけど、学校を卒業した生徒たちは就職できなければ遠い施設で暮らすのはかわいそうです。来年4月からうちの会社で働かせてほしい。私たちが面倒みますから!!」 昭和35年4月から障害者2名を雇用開始。はじめは同情の念「かわいそうだから」だったとのこと。
4.禅宗の住職の言葉との出会い
その3年後、親戚の法事(名古屋)の席での禅宗の住職に「当社の障害者の社員は不思議なんです。なぜ働きたいのでしょうか?」という質問に対してあの有名な回答だ。
人間として一番大事なものがある。『人に愛されること、人にほめられること、 人の役にたつこと、 人から必要とされること、の4つです。働くことによって愛以外の三つの幸せは得られるのです』 と。つまり人に愛されることは家庭でも可能だが、ほかの三つは会社に来て働いて役にたつことで得られるものなのだということを会長はこの禅師から教わった。そうだったのだと気づいたとのことで「ようし頑張ろう!」という気力が湧いたとのこと。
5.工程の工夫
その子のもっている能力で安心して働けるように。あるとき、1人で通勤しているのだから、信号の色が分かっている、認識できる。その交通信号をヒントに糊の計量は赤の重りと青の重りの区分で計量してもらうことでメモリが読めなくても出来るのではということでやってみたらそのとおり障害者でも容易に計量できた。それも一生懸命計量をやってくれたとのこと。マネジャーがほめながら、安心して仕事できる段取り(仕組み)、一つ二つとラインが増えてきた。
6.川崎にモデル工場設立
1975年(昭和50年)これらの人々のお蔭で働く場が得られない知的障害者の多数雇用へと決心し、昭和50年の障害者多数雇用融資制度によるモデル工場を川崎に作った。彼ら障害者の理解力に合わせた段取りで作業をする方法にした。そのことで生産量も増高し、北海道から沖縄まで合わせて、年間1億数千万本のチョーク、日産20万本の数量を販売していた。
モデル工場の一号となっています。その後、多数雇用のモデル工場が各地にできので、重度障害者多数雇用事業所協議会を作り、国の制度の前進を求める活動を展開、法定雇用率設定とそれに伴って助成制度の設置に向け活動を展開した。
7.障害者雇用は政府の財政支出削減
障害者には最低賃金以上の給料を支払い、両親と別れてグループホーム(家賃など6-7万円)に入居し地域で自立的な生活ができるようになった。つまり重度の障害者を施設で保護するとしたら、十八歳から六十歳の四十二年間で一人二億円以上の公の費用がかかっていることから、企業で定年まで働くことができれば、これで財政支出の二億円削減の貢献ができる。
8.青山学院小学校5年生の見学からの気づき
 その貴重な気づきを与えてくれたのは、工場見学に母親と一緒に来た小学5年生の言葉でした。学校で使っているチョークはどうやって作られているかを調べに来た時のお礼の手紙にこんな言葉があったのです。「天の神様はどんな人にも世の中の役に立つ才能(賜物)を与えてくださっているのですね。僕ももっと勉強して世の中の役に立つ人になります」と。会長はどのような障害を持っていても神様からの賜物をもっているんだ。そして人は一人ではだめで群れのなかで他者に役立つこと、褒められることで周りからも大事にされることが重要だと学んだとこと。
9.言葉のめぐり合い「共感脳」と「職人文化」
小学生の言葉の後二つの言葉にめぐりあった。-つは、東邦大学の医学部教授が、人間すべて群れの中にいて周りの人に役立つことに心地よさ、喜び、幸せを感ずる共感脳があると言われました。それは人間しか持っていないそうです。神様がすべての人間の脳の中の一部に共感脳を作って下さったのです。
ジャパンタイムズのハンガリー人の女性記者が当社に取材に来られ、見学後開口一番に、「私たちの国、それもヨーロッパではマニュアル文化の国なので、字の読めない人は最初から雇用の対象になっていません。それが日本企業では文字の読めない人でも戦力となって働いています。日本は手取り足取りの職人文化を持っているからですね」と言ってくれた。私は職人と言うことは知っていましたが、まさか職人文化とまでの自覚はありませんでした。
 当社の人に合わせた工程改良を職人文化というなら、日本の中小企業をはじめとして日本の多くの企業が職人文化を持っている、この文化を活用すれば、もっともっと障害者の働く場を増やすことができると。
10.日本憲法における障害者の働く権利と義務の重要性の再認識
日本国憲法13条では幸福追求を最大限に尊重しなければならないとし、27条に「すべて国民は勤労の権利を有し義務を負う」とある。すべての人が勤労の義務を負うから、一般社会で働ける能力がないとして、たとえ訓練はしていても施設で一生面倒を見てもらえばよいというのは許されない。政府や企業などがこのことの推進を図らないのは憲法違反だというのが会長の主張。
11.皆働社会
チョークの需要減で経営が心配される中、川崎市の応援もあって、産学連携の助成制度を活用し、粉も出ず窓ガラスに書けて濡れた布で消せるキットパスの製品化に成功し、幼児の感性を目覚めさせる子育てに役立つ商品として新たな市場ができつつある。キットパスを川崎市内の郵便局のどこでも買える販売の応援までいただけた。さらに使命達成に向けて頑張りますので、皆働社会の実現に皆様の応援をよろしくとのこと。
12.現場での感想(大山会長が直接現場を案内:無任所の会長が見学会対応とのこと)
チョークの製造ラインでは知的障害者は20名くらい天井から工程名が表示され工程ごとに配置につき、わき目も振らず一生懸命作業に従事されていた。会長のおっしゃる通り、各所に工夫がされていた。例の糊の赤と青の重りでの計量の仕組み、チョークサイズのプラスティック型独自計測装置(不適合検査)、仕込み練り込み工程での砂時計方式の時間管理、作業工程にあった15本ずつのチョーク材料のカットシステム、焼成工程後の限度色見本の掲示システム、最終製品段階では12本ずつはさみでのコーティングシステムとその6セット単位チョークを72本の箱詰めシステム、最後は金属検出機での異常チョークの排除システムだ。現場では障害者が働くための工夫はされていたが、色の段取り手順の可視化や生産性や不良率について、グラフ管理されており、障害者であろうが無かろうが製造業にもとめられる管理システムのレベルは高いと思った。5S含めて。

●感想とまとめ
1.50年前に先駆的に障害者雇用され、現在までいろんな工夫により日本でナンバーワンのチョーク製造販売メーカーとして継続されていることの敬意を表するとともに驚きで言葉にならない。生産性と効率性を求められる製造業では特に反対の方向であると思われる。しかし大山会長は養護学校の先生との出会いや社員の「面倒みますから」の言葉、そして禅師の言葉、青山学院の小学校5年生の言葉、東邦大学の医学部教授の人に役立ちあう心の重要性「共感脳」、ジャパンタイムスハンガリー人の女性記者の言葉「職人文化」論に出逢ったことで大山会長経営哲学が確立されたのだと納得できた。無論健常者と障害者の社員たちも含めて。
2.会長の憲法の生存権や勤労の権利義務の精神の基盤にされに障害者雇用哲学の極みである「共感脳」と「階働社会」の文字を説明テーブルの白板に新製品キットパス(固形マーカー)で大書されたのが印象的であり、共感理解できました。
3.2%~3%は障害者で生まれるという必然の人間社会あることを前提にすると障害者のセーフティネットや制度は必要である。それは健常者で生まれ育った者は障害者に、たまたまならなかっただけであることを認識しなければならない。
持続可能な社会づくりや差別のない誰でも替がいの無い人間としての尊厳が守られ発展される社会的存在として「いい会社」づくりが問われていると思った。「いい会社」とは障害者を含めた地域に生活している社員と家族の幸せを一番に考え、大切にする経営だから。そしてユニバーサル(会長の階働社会、差別のない)な地域づくりが求められていると思う。少しでもそのような会社や地域づくりに貢献しなければならないと思っている。
以上

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